店舗の家賃の決め方とは?相場から内装費用まで合わせて解説
初めて店舗物件を探す方にとって家賃の相場感をつかむのは難しいものです。この記事では
「店舗物件の家賃や賃料の決まり方を知りたい」
「現在のテナント賃料に納得いかない」
「店舗の家賃はどのくらいが平均なのか、相場を知りたい」
とお悩みの方にテナント料の決まり方や相場観についてわかりやすく解説します。
テナント料が決まるしくみを理解しよう
賃料は大きく分けて以下の3つの要素で決定されます。
・立地条件
・物件の状態
・賃貸借契約の条件
特に立地条件は最も重要な要素となります。繁華街と住宅地では5倍以上の差が出ることも珍しくありません。
立地による違いを知る
都心の一等地では1坪あたりの賃料は8万円を超えることもあります。
一方で住宅地に位置する物件なら1万円程度で借りられる場合もあります。
この差が生まれる理由は集客力の違いにあります。人通りの多い場所は当然ながら集客が見込めるため、賃料は自然と高くなります。
逆に人通りの少ない場所では賃料を抑えることで出店のハードルを下げています。
立地ランク別の家賃相場
最も賃料が高いのは都心の駅前や繁華街です。次いで準繁華街や駅前商店街となります。
住宅地の路面店は比較的賃料が抑えめになっています。
都心など地域による商圏人口や通行量の違いも反映されるため、あくまでイメージとして覚えておくとよいでしょう。
具体的な金額では、京都の中心部であれば1坪あたり5万円から10万円が相場です。
京都の有名繁華街ではさらに高額になることもあります。
駅前商店街では2万円から4万円程度が一般的です。
住宅地の路面店は8000円から2万円程度となっています。地方都市ではこれよりも2割から3割程度安くなります。
業態別の適正賃料
店舗の賃料は業態によって適正な金額が異なります。一般的な目安として売上に対する賃料の割合で考えることが多いのです。
業界ごとの標準的な数値を見ていきましょう。
飲食店における適正賃料
飲食店の場合は月商の8%から12%が適正と言われています。
例えば月商300万円の店舗なら家賃は24万円から36万円が目安となります。
ただし立地条件により集客力が高い場所なら15%程度まで許容されることもあります。
居酒屋やバーなど夜型の店舗は昼営業の店舗に比べて高めの賃料設定が可能です。
これは客単価が高いことと営業時間が限定的なことが理由です。
逆にカフェなど客単価の低い業態は賃料負担を抑える必要があります。
物販店の適正賃料
アパレルや雑貨など物販店の場合は売上の5%から10%程度が一般的です。
飲食店より低めに設定されているのは在庫の保管スペースが必要なことや人件費率が高いことが要因です。
コンビニエンスストアの場合はロイヤリティや本部経費があるため賃料は売上の3%から5%程度に抑える必要があります。
ドラッグストアも同様の傾向にあります。
サービス業の適正賃料
美容室や学習塾などのサービス業は売上の10%から15%程度を目安とします。
これらの業態は固定客が中心となるため立地の影響を受けにくい特徴があります。
そのため繁華街から少し離れた場所でも成立しやすいのです。
特に個人経営の小規模な店舗は賃料を抑えめに設定することで利益を確保しやすくなります。
駅から徒歩5分から10分圏内の住宅地であれば十分な集客が見込めるでしょう。
内装工事や費用の目安
店舗物件を借りるときは、イメージに合うような内装工事が必要です。
業態によって必要な設備は大きく異なり工事費用にも差が生じます。
ここからは、具体的に店舗の業態別で費用目安を解説していきます。
飲食店の工事費用
飲食店は他業態と比べて設備投資が大きくなります。厨房設備や給排水 換気など設備工事の比重が高いためです。
一般的な居抜き物件でも1坪あたり50万円程度の費用が必要です。
スケルトン物件であれば、1坪あたり80万円から100万円が目安となります。
店舗の規模は収支バランスに大きく影響します。20坪の店舗なら内装工事だけで1000万円から2000万円の投資が必要になります。
そのため初めての出店では10坪から15坪程度からスタートすることをおすすめします。
物販店の内装費用
物販店は飲食店ほど設備工事が必要ないため費用は抑えめです。1坪あたり30万円から50万円程度が一般的な相場です。
商品陳列用の什器や照明設備が主な投資対象となります。
アパレルショップの場合は内装のグレードが売上に直結します。そのため坪単価は50万円を超えることも。
一方で古着店など低価格帯の業態なら30万円以下に抑えることも可能です。
サービス業の投資基準
美容室やネイルサロンは給排水設備が必要なため1坪あたり40万円から60万円程度の費用がかかります。
学習塾や事務所は最も投資を抑えられる業態で20万円から30万円程度です。
開業資金が限られている場合は居抜き物件の活用がおすすめです。
前テナントの内装や設備を利用することで大幅な費用削減が可能です。
ただし図面や設備の確認は専門家に依頼することをおすすめします。
物件の立地や状態が家賃に与える影響
店舗の家賃は立地条件だけでなく物件そのものの状態からも大きな影響を受けます。
特に建物の構造や設備の状況は業態との相性を左右する重要な要素となります。物件特性と自身の業態がマッチしているかを確認しましょう。
業態に合わせた物件選び
飲食店であれば排気設備の設置が可能かどうかは必須チェックポイントです。
建物の構造上グリストラップの設置が難しい場合や排気ダクトのルートが確保できないケースもあります。
特にビルの上層階は要注意です。
物販店の場合は商品の搬入経路が重要です。エレベーターの大きさや荷物の一時保管スペースなど物流面の確認が欠かせません。
また防犯設備の有無や24時間利用の可否なども業態によってはポイントとなります。
物件の細部をチェック
天井高や柱の位置は店舗設計に大きく影響します。天井が低いと圧迫感が生まれやすく柱が多いと動線が制限されます。
また給排水管の位置は厨房やトイレのレイアウトを左右する重要な要素となります。
電気容量も見落としがちなポイントです。
飲食店なら60A以上あることが望ましく冷凍冷蔵設備の多い業態ではさらに大きな容量が必要です。
アンペア数の増設には追加工事費用がかかるため契約前の確認が重要です。
集客導線を意識した立地選び
通行量の多さだけでなく人の流れにも注目が必要です。
駅からの帰宅導線上にあれば夜の集客が見込めます。オフィス街に近ければランチ需要も期待できるでしょう。
また競合店の有無だけでなく補完関係にある店舗の存在も重要です。
例えば美容院の近くはネイルサロンとの相性が良く居酒屋街ではバーが成立しやすい傾向にあります。
エリアの特性を生かした業態選択がポイントとなります。
店舗物件の相場を見極める重要性
テナント物件の相場観を持つことは開業後の収支を大きく左右します。
相場より割高な物件を契約してしまうと月々の固定費が重荷となり事業の継続性に影響を与えかねません。
ここでは相場の見極め方と、なぜ相場を知ることが重要なのかについて詳しく解説します。
周辺エリアの相場調査
相場を把握するためには最低でも3件以上の類似物件を比較することが重要です。
物件の築年数や面積設備の状況など条件を揃えて比較することで適正な価格帯が見えてきます。
例えば築10年の20坪物件であれば同規模の物件と比較することで妥当性を判断できます。
同一エリアであっても通りによって賃料に差が生じることがあります。
メインストリートから一本路地に入っただけで賃料が3割程度下がることも珍しくありません。
出店場所の選定時にはこうした通りごとの違いにも注意を払う必要があります。
相場判断のための情報収集
不動産業者からの情報だけでなく実際に営業している店舗からも情報を集めることをおすすめします。
特に開業予定の業態と同じ店舗からの情報は非常に参考になります。
家賃や売上の目安だけでなく立地特性や客層なども把握できるからです。
また業界団体や商工会議所なども相場情報を持っています。
これらの情報は統計的な裏付けがあり信頼性が高いという特徴があります。
特に初めて出店する方は専門家のアドバイスを受けることで適切な判断が可能になります。
収支計画における相場の重要性
適正な家賃相場を知ることは収支計画を立てる上で非常に重要です。
例えば月商300万円の飲食店を想定した場合家賃は30万円程度が上限となります。
これを超える物件は収益性の観点から避けるべきでしょう。
相場を基準とした物件選びは事業の継続性を高めることにもつながります。
特に開業初期は売上が安定するまでに時間がかかるものです。
その間の固定費負担に耐えられる賃料水準かどうかの見極めが重要になってきます。
賃料交渉のテクニックと重要ポイント
店舗の家賃を決める際に、賃料交渉が可能な場合があります。良い条件で契約するためのポイントを具体的に見ていきましょう。
信頼関係を築く交渉の基本
オーナーとの交渉では事業計画をしっかりと説明することが大切です。
お店のコンセプトや運営方針資金計画を丁寧に説明することで信頼を得ることができます。
特に初めての開業の場合この信頼関係が重要になってきます。
具体的な交渉のポイント
契約期間を延ばすことは賃料を下げる有効な交渉材料となります。
例えば2年契約から5年契約にすることで月額賃料を抑えられる可能性があります。
オーナーにとっても長期の安定収入が見込めるためです。
保証金を増額する方法もあります。
賃料10万円の物件で保証金を100万円増やすことで月額1万円程度の値引きができるケースもあります。
ただし開業資金とのバランスは考える必要があります。
成功のためのアドバイス
無理な値下げ交渉は避けましょう。
むしろ物件の維持管理にも協力的な姿勢を見せることで良好な関係を築くことができます。
商売が軌道に乗るまでは賃料を抑え徐々に上げていく提案も効果的です。
テナント料は立地や物件の状態契約条件など様々な要素で決定されます。
出店時には周辺相場をしっかりと確認し業態に合った適正な賃料かどうかの判断が重要です。
また賃料だけでなく内装工事費用も含めた総合的な視点での検討が必要となります。
物件探しでは立地選びと業態のフィッティングが成功のカギとなります。
そして適切な賃料相場を把握することで事業の継続性も高まります。
契約時にはオーナーと良好な関係を築きながら賃料交渉を進めることで長期的な店舗運営の基盤を作ることができます。
不明な点がある場合は不動産のプロに相談することをおすすめします。
経験豊富なアドバイザーのサポートを受けることで失敗のリスクを大きく減らすことができるでしょう。
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